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責任の所在

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「知らんけど」という言葉、よく聞くし、つい自分でも使ってしまうことがあるけど、実はこれ、かなり面白い表現だ。

ちょっと考えてみよう。

このフレーズ、見た目はシンプルだが、実に多機能。まず、自分が言ったことに対して責任を曖昧にできるという素晴らしい機能を持っている。「これ、こうだと思うよ……知らんけど」とつけるだけで、万が一間違っていても「いや、最初から知らんって言ったやん!」と逃げられる。

また、この言葉は人間関係の潤滑油としても役立っている。
強く断言しないことで、相手に対して「反論していいよ」という余白を残すことができる。
日本の文化では、相手にあまり圧をかけないようにするのが大事だし、「知らんけど」と付けることで、自己主張をしつつも攻撃的にはならないというバランス感覚が発揮される。
これ、日本の謙虚さの象徴とも言えるんじゃないかしら。

そして、興味深いのは、このフレーズがインターネットやSNS時代にぴったりフィットしていること。
ネットではみんなが情報を発信するけど、その正確性までは保証できないことが多い。そこで「知らんけど」をつけると、適度な距離感を保ちながら意見を表明できる。

要するに、「俺、間違ってるかもしれないけど、どう?」っていう、ちょっとした自己防衛策でもあるわけだ。

ただ、使い方は状況によって変わる。
友達との会話で「知らんけど」を使うと、ちょっとしたジョークやツッコミどころを作れるけど、仕事で「知らんけど」を乱発すると信用を失う可能性がある。なので、使う場所と相手を選ばないと危険だ。

ということで、軽い責任回避からコミュニケーションのスムーズ化、さらにはインターネット時代の自己防衛に至るまで、「知らんけど」は実に多才な表現と言えるだろう。

知らんけど。